PoCの成功を導く: 目的明確化と検証内容の重要性
新しいIT製品やサービスを評価する方法として、PoC(Proof of Concept)が広く利用されています。PoCとは「概念検証」を意味しており、実際に新製品・サービスを試用することで、その性能や機能を確認し、導入の是非を判断するためのプロセスです。
しかし、PoCが乱発的に実施される中で、「一体何のためのPoCだったのか」と疑問を感じることも少なくありません。厳しいビジネス環境の中で、PoCに費やした時間やコストが無駄に終わるのは避けたいものです。
PoCを有意義に運用するための3つのポイント
- 検証項目・目的を明確化
- 評価尺度・判断基準を策定
- 得られた結果の活用方法を考える
これらのポイントを押さえ、必要なリソースを投入することが重要です。目的意識や評価軸が曖昧なままでは、いくらPoCを実施しても要件定義や判断材料として活かすことはできません。
よくあるPoCの失敗パターン
たとえば、あるサービスAには1から10までの機能があるとします。このサービスのPoCを行う際、すべての機能を試して使えるかどうかを判断するケースが多いですが、これが失敗の原因となることが多いです。なぜなら、PoCの目的は単なる機能確認ではなく、効果や必要性を確認することにあるからです。
- 機能確認ではなく効果確認を
機能が使えるかどうかはサービス提供側の営業や画面で確認できることです。お金を払ってただ確認するだけでは意味がありません。
- 本番環境に近い状態での検証が必要ですが、これがミスの原因となることがあります。
PoC(概念実証)では、既存の業務フローに沿った環境での検証が不可欠ですが、本番環境に近い状態での検証だけでは不十分です。なぜなら、本番に近い環境とはいえ、それは人工的に作られたものであり、そこでの機能確認に過ぎないからです。実際には、現場に投入して機能を確認するだけでなく、効果測定やサービス導入後の実際の使用状況を確認することが重要です。
少しわかりにくいかもしれませんが、例えば、お店で見て「便利そうだ、欲しい」と思って購入した商品が、家では全く使わないどころか邪魔になる、そんな経験はありませんか?
PoCは、そのような事態を防ぐための取り組みなのです。
PoCの意義を最大化するには
PoCの段階で、実際の業務フローに沿ってサービスがどのように使われるかを確認することが重要です。お店で見た時には便利そうに見えた商品が、家に持ち帰ってみるとほとんど使われないという経験は誰しもあるでしょう。これと同じように、PoCでも実際に使われるかどうかを見極めることが鍵です。
PoCを正しく実施し、意味のある結果を得ることで、最終的な導入判断に役立てましょう。コストの無駄を避け、有意義なPoCを実現するためのポイントを押さえ、成功へと導いてください。